学長メッセージ

愛知文教大学は2025年度から新4年間計画を実施します。
プログラムとしては第3弾になります。過去のプログラムもまだ生きています。
全てを網羅しながら、新プログラムを発信します。

愛知文教大学 学長 富田 健弘
愛知文教大学
学長 富田 健弘
①第1弾プログラム「全員留学」
これは、学生一人ひとりが異文化に触れ、その中で自分自身を発見し、多文化共生の精神を身につけることを目的としています。日本の社会や経済はグローバル化が進み、英語や中国語など外国語でのコミュニケーションが必要な場面が多く見られるようになりました。異文化間での交流がますます盛んとなる中で、他国の文化を理解し、日本文化を世界へ向けて発信する力も必要です。異なる背景や文化を持つ人々と共に生きていくための力が必要です。それは、今は不可能だと思えることを可能にする愛知文教大学の「逆転力教育」の中にあります。
②第2弾プログラム「ターニングポイントとしてのことばと人文学」
「ことば」を学びの全てに共通する学修キーワードとして探究し、多文化共生社会における「ことば」の重要性を理解したグローバル人材育成の教養基盤を形成しています。4年間にわたって、「ことば」をテーマにした必修科目および選択必修科目を学びます。これは、現在の生成AIにおいて必要不可欠な学びだと信じています。
私の「ことばと人文学」についてはこちらに記載しました。
③第3弾プログラム「自分発見開拓」
私は「世界発見」とでも言いたいところですが、少し大げさなので控えめに「自分発見(Seeds)」と思ってください。
海外語学研修は「英語圏」「中国語圏」へ、2 週間から3,4 週間と長期になります。全員が必修で行くのではなく、希望者に奨学金として現地で研修費用を補助します。また、多文化共生としてアジアの諸国へ旅立つ皆さんを費用の面から応援します。さらに、各個人やグループで学んでみたいテーマについてプレゼンテ ーションを行い、優秀者にはその活動費を研究助成金として補助します。
すなわち、語学を学びたい者、海外に目を向ける者、人文学を極めたい者等、愛知文教大学の学生全てを応援します。費用の一部を奨学金とします。

2024年3月26日

私の「ことばと人文学」

愛知文教大学という名前は1998年、今から24年前に、初代学長林恵がこの様なことばで表現しています。「愛知は勿論愛知県という固有名詞ですが、更には知を愛する、叡(えい)知(ち)智慧(ちえ)を愛するという抽象名詞でもあります。凡そ大学は学問を愛する処、知を愛する処であります。真剣に学問を愛し、大学が文教の府としてふさわしい飛躍をするために、更に21 世紀に向け国際化の時代にふさわしい校名を!」それが、愛知文教です。

本学は学校法人足立学園にあり、その足立学園の創立者は足立誾励です。1927年(昭和2 年)40歳の時に足立学園を創立しました。今年で学園創立97年目を迎える伝統ある学園です。この創立者足立誾励は「自らの行いには厳しく」、「きまりよく」、「親切」、「丁寧に」、「物を大切に」、「働かせて頂きます」と身をもって実践された方でした。朝礼や授業開始は「合掌に始まり合掌に終わる」学園生活は足立学園独特の精神教育からきたものであり、このことばがそのつど唱えられました。

このことばは「法句経」の中にあることばで、次のような意味を持っています。
解釈は色々ありますので、私が思う解釈です。

何事も みな 心よりおこる
心をもとにならぬものなし
もの言うに また 振舞うに
けがれたる心よりせば
車のあとのそうごとく
苦しみのしたがわぬ ことあらじ

ものごとは心にもとづき、心を主とし、心によってつくり出される。
もしも汚れた心で話したり行ったりするならば、苦しみはその人に付き従う。
車をひく(牛)の足跡に車輪がついてゆくように。

何事も みな 心よりおこる
心をもとにならぬものなし
もの言うに また 振舞うに
うるわしき心よりせば
形に影のそうごとく
楽しみのしたがわぬ ことあらじ

ものごとは心にもとづき、心を主とし、心によってつくり出される。
もしも清らかな心で話したり行ったりするならば、福楽はその人に付き従う。
影がそのからだから離れないように。

私が最初に研究した化合物は「陽イオン交換樹脂」です。このイオン交換樹脂は水に含まれるNa+、Cl- などのイオンとH+、OH-が交換し、純水を作り出します。多くは浄化装置に使われる樹脂です。創立者足立誾励から教授されたことばに触れることにより、私は心が洗われました。「純」になれたのです。水の浄化がイオン交換樹脂なら、人のことばは人生を浄化します。