建学の精神と使命・目的
愛知文教大学は「質実有為で宗教的情操を身につけた真人の育成」を建学の精神とし、昭和2年に足立誾励(ぎんれい)が創設した稲沢高等女学校に端を発します。創立者は、当時社会的に弱い立場に立たされやすい女子に対して、仏教的教育により自立と幸福を目指すという理想を掲げて教育に尽力しました。私たちはこの意志を継承し、大学と大学院の使命・目的及び教育目的を次のように定めています。
- 愛知文教大学の使命・目的
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愛知文教大学は、教育基本法並びに学校教育法の精神にのっとり、広く知識を授け、深く専門の学芸を教授研究し、もって「質実有為で宗教的情操を身につけた真人の育成」という建学の精神を実現することを使命とします。
本学は、建学の精神を現代社会に適応させるべく、「急激に変化する現代社会を生き抜く人材の育成」と読み替え、グローバル化の波にあってだれでもが容易に社会的弱者になりうる現代社会において、その没落を防ぎ、一生を自立的に生き抜く強い心とそれを助ける社会力を備えた人材を育成することを通じ、社会の発展に寄与することを目的とします。
- 愛知文教大学人文学部人文学科の教育目的
- 本学人文学部人文学科は、上記の使命・目的を達成するため、自他の文化に関する幅広くかつ深い理解にもとづく人文知の総合的な育成、および実践英語、実践中国語の修得と母語の運用能力向上による真のコミュニケーション力の養成を教育目的とします。
- 愛知文教大学大学院の使命・目的
- 愛知文教大学大学院は、学術の理論及び応用を教授研究し、その深奥をきわめて、文化の進展に寄与すること、並びに「質実有為で宗教的情操を身につけた真人の育成」という建学の精神を現代社会に適応させるべく、平等性、双方向性の視点で異文化を理解し多文化共生社会において活躍する真の国際人を養成し、急激に変化する現代社会を生き抜く人材を育成して社会に貢献することを使命・目的とする。
- 愛知文教大学大学院国際文化研究科の教育目的
- 大学院国際文化研究科は使命・目的の達成のため、比較文化的視点、多文化共生的視点を基礎として広くアジア及び日本の文化を理解する高度な能力を持ち、今日の国際化、複雑化する社会の要請に応じることのできる人材を育成することを教育目的とする。
愛知文教大学人文学部教育の3つの方針
- 卒業の認定に関する方針(ディプロマ・ポリシー)
- 愛知文教大学(以下「本学」)は、足立学園創立者足立誾励(ぎんれい)の意志を、グローバル化する社会において一生を生き抜く強い心とそれを助ける社会力を養成するという現代的理念として継承しています。この理念に基づき、人文学部人文学科では、急激に変化する現代社会を生き抜いていく人材を育成するために、自文化及び異文化についての深い理解と実践的な言語運用能力の修得を通して、高いコミュニケーション力を獲得することを目的とした教育を実践しています。これは、意思伝達の道具としての言葉を社会や文化とのかかわりから問い直した「ことば」を教養教育の学修基盤として、その作用や多文化共生についての理解、それに基づく自己表現力や社会人基礎力、特定の分野に限定されない広い教養と視野を重視する教養教育とともに、「グローバル英語コース」、「中国語・中国文化コース」、「教員養成コース」、「人文総合コース」、「国際日本コース」という主専攻コースとして具体化されています。これらのコースにおいては、卒業までに修得すべき内容として以下のものが求められ、所定の単位を得た学生は卒業が認定されます。
- 教養教育科目群の学修を通して、「ことば」についての理解と適切な運用能力、人間についての知識・見識、多文化共生に必要な知識・見識、基礎的な外国語運用能力、社会人としての基礎的な能力を修得する。
- 「グローバル英語コース」、「中国語・中国文化コース」においては、英語および中国語による実践的コミュニケーション能力を修得し、英語圏・中国語圏に関する理解を深める。
- 「教員養成コース」においては、教職および教科に関わる専門的知識や実践的な教育技能の獲得を通して、多様な学習者に対応できる指導力やコミュニケーション力を修得する。
- 「人文総合コース」においては、日本文化を中心とし、比較文化および多文化共生に必要な基礎知識を身につけ、各分野の調査・分析方法に習熟しつつ、それぞれの興味関心に従った課題を見つけ、自分の「ことば」で表現する能力を修得する。
- 「国際日本コース」においては、実践的な日本語運用能力を身につけ、日本語・日本文化の理解を通して国際社会に貢献できる能力を修得する。
- 「アカデミアゼミ」を通して、自ら設定したテーマについて主体的に研究・調査を進め、その成果を説得力をもって発信することのできる能力を修得する。
- 教育課程の編成及び実施に関する方針(カリキュラム・ポリシー)
- 人文学部人文学科では、教育目的を達成し学位を授与するために、言語による自己表現力や社会人基礎力、そして日本文化の理解を重視する教養教育と、「グローバル英語コース」、「中国語・中国文化コース」、「教員養成コース」、「人文総合コース」、「国際日本コース」という主専攻コースを中心としたカリキュラムを編成しています。
- 設置科目は、「教養教育科目群」および「専門教育科目群」の2つの科目群が中心となります。
- 「教養教育科目群」は大学教育を受ける上での基礎知識やスキル、人文学部にふさわしい基礎的な教養、日本文化理解、社会および文化と言語の関係についての理解に基づく言語運用能力、基礎的な外国語運用能力、国際的なビジネスシーンにおける将来のキャリア形成と社会人としての基礎的な能力、人間と多文化共生についての知識・見識など、特定の分野に限定されない広い教養と視野を身につけるための科目群です。
- 「専門教育科目群」では、「グローバル英語コース」、「中国語・中国文化コース」、「教員養成コース」、「人文総合コース」、「国際日本コース」のうち主専攻コースのカリキュラムに沿って、それぞれの学修に必要な基礎的な知識や能力を段階的に身につけます。さらに3 年次からは、「アカデミアゼミ」を中心に、みずから課題を設定して専門的な研究を行ない、研究成果を適切な言語使用により発表することのできる能力を養います。
- 「グローバル英語コース」においては、国際社会で活躍することを目指す学生が積極的に英語学修に取り組めるよう、レベル別少人数クラス、英語「で」学ぶ科目、多彩な留学プログラムなどによって実践的な英語の習得を目指します。また、TOEIC の受験を通じ、学修成果を客観的に測れるようにします。
- 「中国語・中国文化コース」においては、入門・初級段階において、言語の基礎力の養成だけでなく、その「ことば」を育んだ歴史、文化、社会に関する理解を深める必修科目を学びます。その上で、社会のニーズに直結した多彩なプログラムによって、より実践的で高度な中国語の修得を目指します。
一方、多様な留学プログラムや中国語母語話者との会話演習を通して、より実践的な中国語運用能力を養成します。また、HSK の受験を学修成果可視化のツールとし、2年次までにHSK4級を、4年次春期までにHSK5級以上の取得を目指し、就職や進学に結びつけます。 - 「教員養成コース」においては、教職および教科に関わる専門的な知識と実践的な教育技能を、教育インターンシップなどの実習科目を通して体系的かつ系統的に積み上げることを軸にしながら学び、多様な学習者に対応できる指導力やコミュニケーション力を養い、教員として求められる実践的な力の修得を目指します。
- 「人文総合コース」においては、「共通分野」科目では日本文化を中軸とし、各領域における基礎知識を学び、学問的探究方法を身につけます。「表象」「言語」「歴史」の文化分野科目では、大衆文化の学術的価値、言語文化の特色、伝統文化の原典考察等に着目し、興味関心に従い、専門に関わる課題の修得を目指します。自力で資料を収集・分析・考察し、その結果を論理的に構成し、自分の「ことば」で表現する能力を育成します。
- 外国人留学生を対象とする「国際日本コース」では、1, 2 年次には日本語能力の向上と日本の社会や文化に関する基礎的な理解を深めるために同コース専用の科目を中心に学びます。3, 4 年次には同コース専用の科目に加え、一般学生と共通の科目を履修することによって日本語能力試験N1 レベルの修得を目指すとともに、日本に対する深い理解を持ち、知日派として自国と日本との架け橋となる、あるいは日本に関連する企業において活躍できる人材となるための能力の養成を図ります。
- 学修成果の評価においては、ディプロマ・ポリシーに沿った到達目標を定め、明確な成績評価の基準・方法を策定、学生に周知することによって、学生がみずから知識や理解の到達度を正確に確認できるようにします。
- 入学者の受入れに関する方針(アドミッション・ポリシー)
- 本学の教育は、学生が現在「何が出来るか」ではなく、これから「何をしたいか」を探し追求していくことを重んじます。そして急激に変化する現代社会を生き抜く人材の養成のために、日本及び外国文化についての深い理解と実践的な語学の修得を通して、高いコミュニケーション力を獲得することを目的とした教育を実践しています。この教育目標を十分に理解し、本学の教育に意欲的に取り組む方を求めます。本学の求める人材は次のような資質を持つ人です。
- 学ぶ意欲を持ち、大学で修得した知識や技能を基礎力とし、他者を尊重しつつ社会で活躍し貢献していく希望を有する人。
- 本学の教育理念と学修プログラムを理解し、それについて強い関心と意欲を有し、本学での学修活動に最後まで取り組む意欲を持つ人。
- 専門に直結する分野に限らず、幅広い文化理解と教養を獲得するために、学修にまじめにかつ意欲的に取り組むとともに、主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ姿勢を持つ人。
- 常に将来を意識し、一歩一歩挑戦を重ねていく意欲を持つ人。
- 入学者の判定は以下のような方針にもとづきます。
- 一般選抜では、個別学力検査および大学入学共通テストの結果、またはその両方を組み合わせる ことによって評価します。なお、個別学力検査においては次の点を重視します。
- 国語:基礎的な日本語の読解力、表現力、論理的な思考力
- 外国語(英語):文法、語彙、イディオム、読解力を中心とした基礎的な英語運用能力
- 歴史科目:異文化理解および日本の伝統と文化を理解する基礎となる知識
- 数学:高等学校卒業レベルの基礎的な数学的知識と処理能力
- 小論文:論理的な思考力・表現力、社会のできごとに対する知識・問題関心・意欲・理解度
- 学校推薦型選抜では、クラブやボランティア、資格取得など高等学校内外での種々の活動など学以外の諸成果も重視し、筆記試験だけでは測ることのできない能力を多面的、総合的に評価するとともに、書類選考、小論文、面接試験、プレゼンテーションを組み合わせることによって基礎的な日本語の表現力、論理的な思考力をみます。
- 総合型選抜では、スポーツや芸術などの分野における活動など学業以外の諸成果も重視し、筆記試験だけでは測ることのできない能力を自主性・意欲を評価のポイントとして多面的、総合的に評価するとともに、書類選考、小論文、面接試験、プレゼンテーションを組み合わせることによって基礎的な日本語の表現力、論理的な思考力をみます。
- 国際日本コースにおいては、筆記試験と面接試験によって、本学での学修に必要な基礎的な日本語力を評価します。
- 特別選抜(編・転入学入試、社会人入試)では、書類選考と面接試験を組み合わせることによって基礎的な日本語の表現力、論理的な思考力をみるとともに、出身校での単位修得状況や社会人としての実績や経験にもとづき、入学後の学修に必要な知識・能力の有無を判定します。
- 一般選抜では、個別学力検査および大学入学共通テストの結果、またはその両方を組み合わせる ことによって評価します。なお、個別学力検査においては次の点を重視します。